行ってきました。

初めは
「わー、声優さんや他の漫画家の先生と会えるんだー」
と楽しみにしていたのですが、当日が近付くごとにプレッシャーの方が上回ってきて三日くらい前から38度の謎の発熱に苦しみながら当日を迎えたわけであります。
本来なら担当さんと合流しがてら次の号のネームをお渡しする予定だったのですが、上記の発熱のため全くアイディアがまとまらず、それでいて収録見学には来るという非常にキマズイ状態でスタジオに入ると、そこはもう別世界で、機材キラキラ、人キラキラ、一秒持たず帰りたくなりましたね。
いやはや、中にいる方々皆さんオシャレできらびやかな感じで、
「あそこに座ってらっしゃるのが声優の方々かしら?最近の声優さんはタレントさんみたいにキレイですなー」
とか思ってたらミツルギの河田先生と行徒先生、行徒(妹)様とアシスタント様でした。
それに比べてなんとみすぼらしい我ら。
本気で逃げ出したくなりましたね。
マジ格が違う。話しかけるどころか目も合わせられないレベル。
そうこういってるうちに声優さんの写真撮影がはじまりまして
「そこ、声優さんの写真撮影場所だからどいてねー」
邪魔にならないように端にいたらとんでもないところでした。
いやはや、最近の声優さんはタレントさんみたいにキレイですなー(二回目)
うおっ小清水亜美さん細ッ!?
「モデルさんみたいだねー」
と、かるなさん。
あんなに細い人は今まで見たこと無かったかもしれない。
そのあたりで担当さんから緒方てい先生は別に用事があって今日来られなかったということとか、なかむらたかし先生は絶賛仕事中とかの情報が届けられ
「まだネーム終わってないのに来てる人とかいるのに」
とかかるなさんに言われて消えたくなった。
僕が消えたい気持ちになってる頃、収録が始まり、担当さんが台本を貸してくれた。
前に微調整をお願いした箇所はキッチリ変えてあって、御礼を河田先生に言いたかったが僕みたいなゴミが話しかけて良いような存在ではないように思われた。
一度仮録りみたいのして、河田先生が細かい調整点を指定して、それを元に音響監督さんが声優さんに指示を出す。
河田先生は台詞を聞きながら台本にメモ書きしてて、そのために担当さんに台本を渡されたのだということに気付いたのは残念ながら桜の収録が終わった後だった。
音響監督さんは場を盛り上げたり、河田先生の指示を具体的に声優さんに伝えるのがすごく上手で、見えないところにもプロの仕事というのは隠されているのだなと思った。
桜の収録が始まってからはテンパっててあまりよく覚えていないが、バタバタと不恰好な真似をかるなさんと二人でしてしまって恥をかいたのだけは確か。
自分の中の声のイメージを他人に伝えるという作業は人生で初めてでこれほど難しいものだとは思わなかった。
迷惑をかけてしまい死んでしまいたかった。
しかしながら、音声監督さんと小清水さんに助けながら収録は無事終了した。
最終的には僕の桜のイメージとかるなさんの桜イメージが小清水さんの桜イメージと上手くバランスをとったのではないかと思います。(それと河田先生の桜のイメージとも)
プロの技に救われた感じでしたね。
帰りの電車の中でネームの続きを頭の中で再開した時にはもう桜の台詞は小清水さんの声で再生されていました。
さて、自分のお仕事が終わるとそれからは気楽なものであとはお客様気分で収録を観賞させていただきました。
桜の後は花輪英司さんのアビス殿下!
スタジオ大爆笑!!
もう最高でしたね。
アビスファンは手に入れないと絶対後悔しますよ!
花輪さんのアビス殿下と若本さんの校長の競演は恐ろしい濃さです!!
あとガヤの収録とかあったんですが、福山さんがもうスゲェの!
ガヤなのにしゃべる言葉にストーリーがあってしかも面白いんですよ!
そういうところにも耳を澄ますと面白い発見があると思いますよ!
そのあたりで小清水さんがインタビュー室に移動されてその後帰られるということで今日はご迷惑もかけたしインタビュー始まる前に挨拶させていただこう!(というか謝罪しよう!)という話になったのですが小清水さんはなんとも腰の低い方であられましたのでこちらなど感激しつつも恐縮しきりで、しかも一度それでは今日はありがとうございましたとインタビュー室前でお見送りしたのに。突然私どももインタビューにお邪魔して良いよって言われて、後から入室してしまった時の気まずさと言ったら。(笑)
インタビューの流れで小清水さんにまだしなこいっの一話分しかお渡ししてないとか判明しまして「ちょっ営業さん!?」ってなりましたが、編集さんが気を利かせて一巻を持って来て下さっていたので遅ればせながらお渡しさせて頂きました。(丁度二刷が出来上がったところだったので持ち合わせがあったそうです)お目汚しにならないと良いのですが…。
インタビュアーの方が、小清水さんに質問とか無いですか?ってこちらに振ってくださったのですが、私どもは終始オロオロするばかりで担当さんが一番話してましたね。カレン好きですとか。(笑)私達も担当さんのようなまっすぐさが欲しい。
インタビューも無事終わって、二度目の(笑)お見送りをさせていただいて、スタジオに戻ったらミツルギの私立波亜怒雲高校新校歌収録が始まるところで、行徒先生やウチの担当さんやミツルギの担当さん、編集長さんを初めとするコミックラッシュ編集部オールスターが参加しての大熱唱となりました。
実は私ども前日に担当さんから曲のデータを送って頂いてまして、僕なんかは徹夜で覚えて、「二番のここは転調するから気をつけないとな!」とか考えてたんですが、土壇場でかるなさんが参加を辞退したため、私もなんか参加を言い出せないまま収録は終わりました。
努力が無駄に終わることの多い人生です。
後は解散という流れだったのですがビル出たところでかるなさんがドサクサに紛れて河田先生に挨拶してて羨ましかったけれどどうしても自分も声を掛ける勇気がなくお辞儀だけして帰った。
勇気が出ないことの多い人生です。
後はアキバに不案内な僕らのために(スタジオは秋葉原駅の近くだったのです)担当さんがとらのあなとか連れてってくださって、「わーっしなこいっの複製原画とか展示されてる!」「へーゲノムの新刊出てたのかー」「お?もう二刷が出回ってるんだ」と三者三様の感想を述べて(約一名別のところを見ていた)どこかのビルの三階でカレーを食べた。
店内でモンハンの名刺を担当さんと交換、「七本目と番外編のアンケートも良くなくてね…まぁ上の方の順位は確定しちゃってるっていうのはあるんだけどね」「で、来月はどんな話になるの?」「二巻の盛り上がりはどこで作るの?」みたいな話を聞きながら先程までは本当に分不相応な場所にいたのだなと申し訳ない気持ちでいっぱいになり「やっぱり河田先生に話しかけるような真似をしなくて良かった…これ以上申し訳ない気持ちは抱え切れんからな…わいは尾張のクソや…」とか押し寄せてくる気持ちをウンコ、じゃないカレーと一緒に飲み込んだ。
あれ…お、おかしいな、カレーが辛すぎて涙が止まらないよ…。
その日の帰り生まれて初めて電車のドアにはさまれた。